神様から渡された分厚いカタログ。
あなたは唸る。「うーん、どれにしようかな・・・。」
戦略のない会社はカタログの中からビジネスモデルを選び、カタログの中から売上に繋がる手法を見つける。おなじみのやり方を繰り返し、世の中には見慣れたものが増える。この一連のプロセスが、世界同時多発的に、似たような業種・職種の中で行われる。
同じような手法でマーケティングされた、同じような商品が陳列棚に並ぶ。変えたのはネーミングだけ。中身は一緒。機能もほぼ同じ。こうやって世の中にはコモディディ化した商品が増産されていく。
悲しいかな、社長はカタログから選んだその商品を「世界で唯一、自分だけが発見したもの」と思い込む。半径1km以内に同じことを考えている人がゴマんといるにも関わらず。そうやって社長お墨付きの売れない商品が世にはびこる。
売れない商品を売っているから、売れない。そんな簡単なことにすら気づけない社長。その苛立ちは、営業部隊に檄を飛ばすことで緩和される。しかし、売れない。来月の資金繰りが厳しい。だから経理にも檄を飛ばす。
檄を飛ばしたところで、何も変わらないのだけど・・・
戦略のない事業は死ぬ。労働市場でバカは評価されないと同じく、ビジネスのマーケットではコモディディは評価されない。だからこそ、僕たちには戦略が必要だ。
道なき道を進むとき、それがたとえ暗闇でも、戦略が灯火となって、進むべき道を照らし出してくれる。競合他社と圧倒的に違う何かを作る道。ビジネスモデルを劣化させない道。多くの人をストーリーで巻き込む道。
戦略的思考法というのは、持っておいた方がいいかどうかを悩む類のものではない。資本主義社会に参加した時点で、持っておかなきゃお話にならない。資本主義下でビジネスをやるものが戦略を持たないのは、まるでテニスプレーヤーがラケットを持っていないに等しい。
もしあなたがスモールビジネスのオーナーで、これまで一度も戦略を策定したことがなければ、本コースが役に立つはず。戦術と違い、即効性のあるもではない。しかし、戦略立案のスキルを一度身につければ、事業が存続する限り、ずっと効用をもたらしてくれるソリッドな技術だ。
たかだか43個の講義。その気になれば、土日の空いた時間を使って1日で見終えることもできるはず。しかし、仮に1日で見終えたとしても、培ったスキルは一生手放したくないものになるはずだ。